どうも~お久し振りです。
限定品祭りも一段落したところ~ならばそれらのレポと行きたいところですが、ここ最近製品情報ばかりな気もしますので、今日は同じ製品でも工作に関わるネタとして、窓の着色に使えるフィルムを取り上げたいと思います。
UVカットガラスやブロンズガラスなど、事業者/車種によっては窓の着色の有無もかなり見栄えが変わるポイントですが、これをいざ模型に表現しようとするとかなりデリケートな作業を強いられます。 透明度を完璧に保ち、ユズ肌や歪みを抑え均一に塗装する事の難しさ…(磨き出しがやり難い1/150では特に) SDNなどを用いた染色では思うように染まらなかったり、樹脂によっては曇ってしまう場合もある等々、一度作業した事のある人ならこの難しさはお判り頂けるかと思います。
そこで目についたのが、
中川ケミカル製・IROMIZUブランドのフィルムです。 基本的には透明度の高いカッティングシートの類で、ドライ貼りが可能である事からステッカー同様の扱い方で使用する事が出来ます。 実はモノ自体は発売当初(2年近く前?)から気になっておりましたが、実際に購入して試すまでかなり時間が掛かってしまいました。 ようやくのレポです。
無論他にも使えるフィルムはあるにはありますが、この手のフィルムはほぼロール単位での販売が前提で(そんなに要らん)、量り売りを探すも意中のものを在庫している販売店を探すのが先ず大変だったり、水貼りが前提でドライ状態では粘着力が弱く小さな模型には使い難かったり… 一部の色以外は淡い色がないなど、模型向けに使い勝手の良いもの、尚且つ"ある程度"一般に入手し易いものはかなり制限されてしまいます。
= IROMIZU =
以下、画像の色はモニター他機器条件によって変わりますので参考程度にお考え下さい
簡単に特徴を書きますと…
・12色相+白&黒×3階調=全42種類のラインナップ 貼り重ねれば様々な色表現が可能
品番は画像の 「色相番号」-「階調%」ic となります。 例:31-50ic (青緑 / 階調50%)
・透明度は申し分ない(糊層による霞掛りもない)
・水貼りのみならず、細かいものには便利なドライ貼りが可能(普通のステッカーのような扱いが可能)
・ビニール樹脂による弾性が影響してか"エッジを立てて"直角に折り曲げるような貼り方には適さない
(注:あくまで1/150レベルで見てしまうと~の話 →次回記事で詳しく書きます)
・一部の販売店にはなるが、A4サイズで小分け販売されている → コレ重要
詳しくは公式サイトの
この辺(概要) とか
この辺(仕様) を参照下さい。
= 実際にバスコレに貼ってみた = ~窓の裏側に貼っています。
先ずは色が付く事で効果が顕著なブルーグリーン色系UVカットガラス。
(注:画像は左側面/右側面両方のパーツに貼ってありますので、実質2枚分を通して見ている事になります)
実物をよーく観察すると、ここまで色は付いていないように思われますが、例えば屋外(特に晴天時)に見たor撮影した時にかなり濃く見えるイメージを加味すると、この程度色が付いていて丁度良い気もします。 ただ、流石に階調100(この見方では実質200)では濃過ぎな気も。
鉄道模型E231系製品の色の付いたガラスは恐らく階調で言う25%程度だと思います。 個人的には鉄道(E231系)よりバスの方が濃いイメージがありますので、そうなると50%かなぁ~と感じた次第。
緑色「28-50ic」と青緑色「31-50ic」ではどちらも甲乙付け難く、どちらが良いかは人それぞれ持っているイメージに左右されそうですね。 個人的には緑色に近いイメージ=J-BUS 微妙=三菱 青に近いイメージ=西工 ~なんて使い分けしても面白そう。 事業者によっての違いもあるかも知れません。
さらに、光線によってはもっとスモーク寄り(黒方向)に見える時がある為、「28-25ic」+「B-25ic」を重ねて貼るのも面白そう。 ただ…切り出す手間やコストを考えるとお勧めはしない(笑
白背景ではなく、より実際のイメージに近い風景中で見るとこんな感じ。 これは緑色の方です。
悪くない…ってか良い感じ^^ UVカットガラスの表現については28or31-50icで解決!
鉄道も名鉄にこのような色の窓があるそうで…
→木ねじさんのブログ記事
こちらは都営バスでは都市新バス仕様に見られる茶系ブロンズガラスを意識したもの。
かなり濃いブロンズ色なら自動車用のフィルムにまんまの色がありますが、極淡い(階調%が低い)ものは見当たらず、やはりIROMIZUの11(オレンジ)、14(黄燈)の25%を試してみました。 こちらは黄燈「14-25ic」に軍配かな??
風景中で見るとこんな感じ。 微妙だなぁ…
色は良いとして、都営バスのイメージからすると25%でもちょい濃いような。 模型的なメリハリを考えればこれでも良いような気もするけれど… 欲を言えば階調10%があればベストな予感です。 これは保留。
逆にもっと濃い色が欲しい場合は…
単純に階調%を上げるのではなく、「B-25ic」や「B-50ic」と重ね貼りした方が良いでしょう。 この色の場合、25%だからこの程度に見えていますが、実際には黄燈色ですので、例えば「14-100ic」など単純に階調%を上げると色分が前面に出てしまいおかしな事になります。 また、階調が変わると色味も違って見えますので、黄燈(14)よりオレンジ(11)の方が良く見える場合があったり、青紫「43」辺りを重ねてもブロンズに見えたりします。 この辺が透過色の面白いところであり、難しいところでもありますね。
茶系ではない黒いスモークガラスを使う事業者なら、単純に「B-50ic」や「B-100ic」でOKかと思います。
こちらは、その昔モノコックの冷房車に多かった妙に青いガラスを表現しようと試した図。 当時非冷房車とは違う青いガラスを使う事業者が散見されました。 模型でも非冷房車との違いを~と企んで見ましたが…
んーー実際見ると画像のように極端には見えずアリかな?とも思えますが、出来れば階調10%程度が丁度良い感じです(もちろんそんな製品はありません) 車体にあえて反対色の東海バスを使用したのもイメージ的に濃く感じる要素かも知れませんけれども… それでも若干濃い気はします。
まぁかつての冷房車~の括りは別として、普通に青いガラスを採用した事業者/車種なら(鉄道にも)十分使えると思います。 観光車に見られる上辺だけが青くなったガラスや、中扉の目隠しなどにも。
中川ケミカルさん、、35とブロンズだけでも良いので階調10%(12.5%でも良い)是非お願いします。
まぁ本来の用途から考えると使用量が少な過ぎて難しいかな?? しかし、10%があればそれこそ膨大な種類の色を作れますよ~と戯言を吐いてみたり。 アルプス(MDプリンタ)のリボンよろしく、階調の低いものがあると何かと便利なのです。 一応営業の方にも同じように進言しておきました^^
= 何処で買える? =
購入箇所は原則公式ページに記載のある取扱店にて。 ただし、その場に在庫がなかったり、ロール単位でしか扱ってないところもあるようなので、もし東京近郊若しくは大阪近郊にお住まいであれば、一番手っ取り早いのは東急ハンズでしょう。 一応、渋谷/新宿/池袋/横浜/心斎橋/三ノ宮各店ではA4サイズでの取り扱いを確認、さらに渋谷/池袋/横浜店では画像のようなディスプレイ什器も置いてあり、実際に手に取って確認する事が出来ます。 この確認してから~は思いの他重要です。
一番最初の画像にあるように、製品は白い台紙に載せて販売されていますが、その時に見える透過していない時の色と、実際に透過させた時の色ではイメージが異なるものが多く、例えば最初の画像手前「31-100ic」では割と緑色に寄ったイメージに見えますが、実際透過させた「31-100ic」ではご覧の通り案外青く見えたりします。
右の円盤は全42色を短冊状に貼ったものが2枚重なっており、これをくるくる回せば組み合わせて出来る色を確認する事が出来ます。 さらに、思いも寄らない組み合わせからこんな色が~と言った発見も。
そんな訳で、近郊にお住まいであれば是非一度現物を手に取ってみる事をお勧めします。
通販との差額の価値は十分ありますよ^^ (東急ハンズ:1枚税込み735円)
遠くて行けない方は、検索すると通販もいろいろ出て来るようですのでそちらから。
一例 :
画材販売.JP
※店内撮影は許可が必要です。