お久し振りです。
今年もまたやってしまいました。 毎年この時期は駄目ですね… 基本忙しい上、今年はPCトラブル&新PCのメモリー認識が芳しくない・エスカレートして部屋ごとリニューアルした~等々いろいろ手間取ってしまいました。 この間バスコレ界隈ではいろいろあったようで話題に事欠かない様相ですが、今日はそっち方面のお話は封印。 久し振りに当ブログの本線=工作記事です。
それと、この間頂戴しましたメール等も一応今日までに全て対応させて頂きました。 もし返信無いぞ~等御座いましたらお手数ではありますが再度ご一報願えれば幸いです。
掲示板については自然消滅のような形になってしまい申し訳御座いません。 皆様の力作をアップ頂いたり、そこから交流を持てたりとこれまで本当に有難う御座いました。 最近は即座に返信出来ない事も多く、プロバイダ変更を機に廃止させて頂くこととしました。
お題は先に発売された神奈中セット3からエアロスターノンステップのクーラー載せ替え。 QKG-ノンステップでは多数派でもあり、多くの営業所に投入されているデンソークーラー搭載車を作ってみます。 今回は一から工作するのではなく、製品の塗装を生かして一味違うものを作ってみよう~が趣旨。 もし工作にちょっと興味がある、エアブラシ買ったので練習したい、そんな方にお勧めです。 超絶技巧・重加工作品ばかりが工作の醍醐味ではありません。 こういったところから遊んで行きましょう。十分楽しめますよ^^
今回は珍しく作り方的な感じにまとめてみました。 文章下手もあって実際のサジ加減やニュアンスまで上手く伝える事は出来ませんが、こんな流れで作っているという事だけでも伝われば幸いです。 よもや「やってみようかな?」なんて感じて下さる方が一人でもいらっしゃればこれは嬉しいぞと^^ 今度食事でもご一緒しましょう(笑
先ずは車体をバラし、屋根上に乗る重工クーラーを取り外して出て来た穴を埋めます。 パーツの固定に接着剤は使われていませんので、裏から爪楊枝等で押してやればすんなり外れます。
穴埋めはセオリー通りランナー引き伸ばし線を突っ込んで裏から瞬着を少量流して固定。 固着する前にランナーを上下に数回動かしてから固定すると、表側のランナー周囲に瞬着が適量回って具合が良いです。
リアウインドは破損し易いので分解の際は注意します。 方向幕を弄らないor窓の上からステッカーで表現する場合は外さなくてもOK。 今の瞬着は殆ど白化現象を起こさなくなりましたが、一応内側にマスキングテープで保護しておけば万全です。 前面窓は外しておいた方が作業し易いと思います。
別に用意するクーラーは
バスコレパーツ一覧表上では「デンソー小型A」と記載しているものです。 第5弾等初期製品は接着剤でがっちり接着されているものがありますので、なるべく今時の製品を選んだ方が使い易いです。
ランナー伸ばし線が固着したら適宜切り取りせっせと磨きます。 エアロスターには屋根上に溶接ラインが表現されていますので、これより外側は触らないように作業します。 心配ならマスキングしても良いでしょう。
作例では#400→#1000→水を付けて#1500~こんな感じにペーパーを使い分けて作業しました。 穴の跡を消す事は当然として、塗装してある部分と無い部分の段差を均す事も重要です。
製品の塗装を生かす前提で一番重要な事……ご想像の通り車体の色に合わせた塗料を調合する事です。 車体の塗り分け工程が無い分ここに手間が掛かってしまう~これは最初から覚悟しておいた方が良さそうです。
製品の仕上がりを観察すると、基本的にはつや消し仕上げでありながら、クーラーの隅などがちょっと光る~キメの細かい半光沢のように仕上がっています。 この質感を目指す為、今回は調合する塗料は全て光沢塗料を使いました。 つや消しや半光沢を使ってしまうと、吹き加減や薄め具合・吹く距離等の調整では質感のコントロールが難くなり、後からクリアを吹くなど手段も限定されてしまいます。 製品まんまの車と並べる目的もありますので、クリア吹きは出来ればやりたくない~本当に最後の手段として取っておきたい狙いもあります。
で、調色の実際ですが、本当は近似色から作る方が記事としては説明し易いものの、この手の系統の色で市販されているものは殆どがつや消しか半光沢という、、それもあって今回は純色カラー主体の調色になってしまいました。 従ってレシピは「適宜混ぜる」としか説明しようが無く、残念ながら具体的な比率は判りません。 雰囲気として大雑把に書くなら、白をベースに純色イエローを多目に注ぎ、マゼンタを滴下しながら赤味を付け、シアンを一滴ずつ垂らして濁らす~の繰り返し。 瓶の状態(原液の状態)である程度似た色が出来たら試し吹きを繰り返して追い込んで行く事になります。(勿論純色カラーのみで作る必要はありません)
ベテランモデラー諸氏ならご存知の方法でしょう。 同じ光源の下でなるべく近くに置いて撮影→フォトショップ等CMYK成分を抽出出来る画像編集アプリを使って目安にするという方法もあります。 勿論この方法だけで完璧に色を合わせる事は無理ですが、方向性を探るにはそれなりに使える手段です。
画像は「こんなもんかな」~なところまで出来た時に試した絵。 もちろん画像=ラスタデータですので、隣り合うピクセル毎にも値が異なり一点だけで判断は出来ませんが、何点かポイントを当てて平均的な数値を導けば、ある程度傾向は読み取る事が出来ます。 この場合、車体に比べC(シアン)が足りない→シアンをほんのちょっと足してみる~と言う方向性が見えて来ます。
注)それぞれ単独の数値に意味はありません。 CMYKの調合バランス=比率の目安にする為だけの値ですので、この数値が即ち現物の神奈中イエロー~と言う訳でもありません。原液の状態である程度合わせた塗料が出来たら、今度はジャンク車体等適当なものに実際に吹き付けて比べてみます。 正直物凄く手間且つ面倒な作業ですが、ここが我慢出来るか否かが勝負どころ。 一滴入れては試し吹き+ブラシのうがい、吹いてはうがい、、吹いては、、、、今回はこれを8回繰り返す事に。 逆に言えば原液からそれなりに弄った事になるので、そのまま吹いていたらさぞ後悔した事でしょう。 筆塗りで色を合わせても吹くと違ってしまう…よくある事です。 純色カラーは同じ一滴でも色によって変化する影響力の差が大きいので、強いシアンを入れる際は一滴づつ慎重に。
《強い》 シアン>マゼンタ>>>イエロー 《弱い》
やっと出来た神奈中イエロー。(神奈中オリジナルセット3ver.)
こんな調子に、前面に使う神奈中オレンジ(同セット2&3ver.)も作っておきました。
では塗ります。
先ずは要らない広告等から薄い紙を取り出して粘着部分が3~4mm位出る感じのマスクを作ります。 表面つるつる&ペラペラの紙が使い易いです。 これで※車体に極力マスキングテープを触れさせないようにする為と全体を一気に覆い作業の簡略化を図ります。
※バスコレ製品に粘着テープを貼り付け→剥がすと、稀に印刷等が剥がれる事がある為その予防策です。屋根に開いた穴の裏をマスキングテープで塞ぎ、先ほどのマスクを雨トイ上に2~3mm出るような感じで簡単に巻いて行きます。 雨トイに貼って行くようなイメージです。
次に9~10mm幅に切り出したマスキングテープを屋根にモールドされた溶接ラインにピッタリ合わせて貼り付けます。 今回はヤスリ掛けの際溶接ラインも少し触れてしまった為外側に沿わせました。
作った光沢塗料をMr青ラベルシンナー(普通の薄め液)を使って気持ち薄めに溶きます。 リターダやエアブラシ用のシンナー(黄ラベル)は使いません。 当然吹きながらこの濃度も調整、さらに吹き加減や距離なども加減しながら仕上がりをコントロールします。 このさじ加減は文章では説明し難いのですが、狙いとしてはつや消し気味に仕上げつつも粒子感は出ないようにするイメージ。 まぁ元々つやあり塗料なので余程湿度が高い日に吹かない限り激しくザラザラになる事はほぼ無いと思われますし、つや出しを目指して濡らすほど一度に吹く必要も無い為、それほど難しい調整ではないです。 兎に角厚塗りにならないように、元々塗装されていないクーラー下の部分が他の部分と同化したら(覆えたら)その時点でやめます。
車体が済んだらクーラーや通風機なども塗装しておきます。 今回作った塗料に関してはそこそこ隠ぺい力があるようで、白成型のクーラーにそのまま塗装しても白飛びは起こりませんでした。 また、これらのパーツのみフィニッシュする際に一瞬濡らし気味にしておくと、僅かにつや感のある製品のような雰囲気に仕上がります。
画像は吹き付け直後、ままOKでしょうか。 フラットベースが入っていないのでキメの細かい仕上がりになります。 調色とつやのコントロールが上手くいっていればこの時点で車体塗装完了~と言えますが、現実には「製品と全く同じ・全く同化してる!!」~とキッパリ言い切れるような仕上がりは難しく、殆どの場合もう一手間掛ける事になります。
それと、屋根に写る2つの小さな窪み=射出成型の湯口跡は普通なら仕上げておいた方が見栄えは良いです。 今回は「製品ぽさを残す」&「擬似製品を作る」をコンセプト(逃げ口上?)にあえて残しておきました。
ラストはズバリ誤魔化し工程(汗
マスキングの際最後に貼った4つのテープ(一つ上の画像の赤い※)を剥がし、再度前後に補助のマスキングテープを貼ります。 最初に貼ったマスクが車体にピッタリ貼り付いている場合は画像のようにルーズにしておきます。 ルーズと言っても上から見て雨トイの赤はなるべく見えないように(当然その下の車体も見えないように)しておきます。 マスキングテープを剥がした際、厚塗りになっているとエッジが立ってバリが出てしまう事がありますが、もしそうなっていたら尖った模型用の綿棒やキムワイプ等で擦って車体に傷を付けないように仕上げておきます。
準備が出来たら極力真上から吹かないように全体にふわっと吹きます。 ルーズになっている部分はぼかし効果を期待しているので、執拗に吹くと塗り分け線出来て意味がなくなります。 この工程は色を付ける為の塗装ではなく、自家塗装した部分と製品のままの部分を馴染ませる為の作業です。 従って、時折光にかざしてツヤの具合が全体に馴染んで来たらその時点で終わります。 調色が上手く行っていないとこの程度ふわっと吹いただけでは差を埋める事は出来ませんので、やはり車体本体の塗装を省ける分ここ一番調色に注力したいところです。
製品まんまの車輌と並べてチェック。 色の違いについては僅かに赤っぽい気もしますが、何とか許容範囲内?? つやの質感については成功、クリア吹きで調整する必要は無さそうです。
各パーツを取り付けて組み立てれば、念願のデンソークーラー仕様の完成!
個人的にはこちらの方が「新車っぽい」イメージがあります。
折角なのでもう一手間。 平塚や茅ヶ崎に居るセーフティウインドが付いた仕様も作ってみました。 現時点では、茅ヶ崎の[ち22]、平塚は[ひ17] [ひ26] [ひ55] [ひ68] [ひ83] [ひ137] の7台が該当するようです。
こちらは少々難易度高目。 ただ、一応失敗しても車体には影響ないですし、数回の塗装剥離(繰り返し作業)には耐えてくれますので、細かい色入れの練習台としてトライしてみるのも有意義かと思います。 バスコレの工作はこの程度の細かい塗装を必要とするケ-スが良く出て来ますので、慣れておくと色々都合が良いです^^
窓パーツは当然別車体からセーフティウインドが付いたものを用意します。 基本的に何でもOKですが、パーツ毎に多少使い勝手が異なるので簡単に書いておきます。(一回すっぴんにして塗り直すならどれも条件は同じです)
・名鉄バス/箱根登山旧色用 : 窓下が白色で下地塗装の手間が省ける。箱根登山はパスモマークが邪魔か。
・北海道中央バス用 : 同上のメリット。ただしワイパーが銀なのでそこを黒く塗装する必要あり。
・神姫バス用:方向幕の表示領域が狭い為、幕周りの黒を落として再塗装する必要あり。
・全国バスコレ/限定セット用 : LED表示が印刷されていないので、これを落とす手間が省ける。
・他はどれも似たような使い勝手。
今回私が使用したパーツは北海道中央用。 銀ワイパーが使い難くくこれまでなるべく使用を避けていましたが、窓下が白色=下地が省けるメリットを買ってこれを選択。 従ってこちらも車体と同じく製品の印刷をある程度生かした方法を取りました。 とりあえず今回は余分を見て4つ製作、1つは塗装で仕上げ、残り3つは赤帯部分はデカール仕上げです。 塗装で仕上げた方は~
(1)LED表示を消す。結構しつこいのでシンナー湿布を当ててから剥離。
(2)製品の色入れが余り良くない部分をピンポイントで消して烏口等で再塗装。
(3)窓下にオレンジ色を吹く。(下地塗装は省略)
(4)マスキングを駆使して赤を吹く(もうやりたくない)
(5)ワイパーに黒を吹く
(6)手摺等細部に黒を色入れ
(7)車椅子マークデカール製作&貼り付け
実験の意味もあって面倒な方法を取りましたが・・・
(3)窓下に赤を吹き、帯になる部分をマスキング
(4)白を軽く吹いてからオレンジを塗装
~に入れ替えると多少は楽になります。 しかし何れにせよ手摺やワイパーの付け根が邪魔する僅かな場所に0.1mm程度の線を引く事はそれなりに苦労を伴います。
残りの3つは赤帯をデカールに置き換えました。 これで解決??~と思いきや、そもそもデカールを作れる環境が必要な事や、デカールに置き換えたところで小さ過ぎて貼り付けも大変。 やはり難易度は高めです。
もしどうしてもこの帯がネックになってしまう場合はオレンジだけの表現でも良いかも知れません。 製品を見てもゴム直下(黒の隣)にある為か赤は余り目立つ印象ではなく、実際オレンジのまま取り付けてもそれほど違和感は出ませんでした。 というか、黒がはみ出して殆ど赤が見えない製品や、赤印刷が欠損している製品も当たってしまいましたが、言うほど不自然ではないです。
今回はベースの製品を生かしたものですので、一から塗装するものとは工作内容や苦労するポイントは異なりますが、やはり一手間掛けたものが完成した嬉しさは変わらないものです。 「こんな製品あったっけ??」~私の大好物でもある捏造工作(笑 久し振りに楽しい一時となりました。
さて、こうなって来ると社番やナンバーはどうすんの? となりますよねぇ…やっぱり。 目下ネックは元社番消しのマスクがノンステの場合2色必要(リア社番が黄色の上にあるじゃんorz)=コストアーーップ。 ご要望も頂いてはいるのですが、車番消し2色マスクレタ+黒車番レタ+ナンバープレート等のデカール=計3枚構成とすると結構なお値段になってしまいそう。 その上リアスタイルがちょっと違うセーフティウインド付の車の諸々をどうするかっと言った問題もあるし… 黄色い車はこの程度までで楽しんでおくのが吉なのかな…(悩み中