
神奈交バス完成しました^^
ラスト屋根がグレーと判明するなどすんなり完成とは行きませんでしたが、何とか追加塗装を施して無事完成。 来年にも予定されている再編で神奈交バスの名前が消滅するだけに、この塗装の車がどうなるか、経年のKL-3台がそろそろ落ちそうと、良いタイミングで作れた気がします。今日は久し振りに完成報告です。
神奈交カラー:神奈中バスファンにはほぼ常識の範疇かと思われますが、一応簡単に説明しますと、2002年あたりから神奈交バスの純然たる新車の一部がこの塗装を纏って投入されました。グループ5社それぞれで色が異なり、横浜神奈交バス=濃青色・藤沢神奈交バス=空色・相模神奈交バス=青緑色・湘南神奈交バス=山吹色・津久井神奈交バス=緑色とバリエーションがあります。 数はあまり増えなかった印象で、車種は既に淘汰されてしまったものも含めるとエアロスター・エアロミディMK・エアロミディME・ぽんちょ・エルガミオが存在し、中でも大型車のエアロスターは横浜・相模・藤沢の3社で合計9台のみとなっています。 今回はその中から6台を抽出して製作しました。
横浜神奈交バス(舞岡営業所) YK1107 KL-MP35JM

2002年11月に藤沢神奈交バスの2台と共に導入された1台で、エアロスターでこの塗装パターンの車は初導入となったYK1107号車です。 横流ファンやカラードホイール(白)を採用していたのもこの世代の特徴。以前は標準だったこの仕様も今では目立つポイントとなっているところが時の流れを感じさせます。 このYK1107号車のみ車内のモケットに2代目カナちゃん号用のものを使っているそうで、モデルでも薄い藤色に塗装して少しだけ差を表現しておきました。 カナちゃん号無き今、営業車としてこのモケットが残るのはYK1107が最後の1台となるのでしょうか? LED表示は「戸37 川上団地」としました。
横浜神奈交バス(舞岡営業所) YK1104 PJ-MP35JM

こちらは2006年12月にYK1101号車と共に投入されたYK1104号車です。 神奈交カラーのPJ-エアロスターはこの2台のみで濃青の横浜神奈交だけに在籍しています。 YK1104を選んだのは前面のエンブレム右下にも小さく車番が入っているなど他と"少し"違う特徴があったからですが、右側面のエンジングリルが後天的にKL-のものと交換されている事に後から気付いて撃沈… しかし今更車番を替えるのはかなり手間とあってそのまま完成としました。 前面エンブレムの小さな車番も一応右下に"もやっと"存在しているかな??程度に(1/150では当然読み取れません)表現を盛り込んであります。LED表示は「東23 弥生台駅」としています。
横浜神奈交バス(舞岡営業所) YK1111 PKG-MP35UM

2009年12月に導入されたPKG-エアロスター。 神奈中グループのエアロスターはこの年の9月辺りの導入車から側面窓ガラスにUVカットガラスを採用。サッシも黒となった事からこれまでの車とはかなり印象が異なります。 実は神奈交バスを作ろうと思ったきっかけはこの車を見た事からでして、白と濃い青系の塗装にUVカットガラス&黒サッシの組み合わせがとても格好良く見えたのでした。 LED表示は初乗車した時の「戸09 緑園都市駅」としておきました。 この世代は前面や後面にある車椅子マークがこれまでのスロープ付きからシンプルなものに変わり、前面は向きも反対になっている点が模型視点ではワンポイントです。
相模神奈交バス(相模原営業所/峡の原) SK2006 PKG-MP35UM

2009年2月に横浜神奈交バスのYK1108号車と共に投入されたSK2006号車です。 相模神奈交カラーの大型エアロスターはこの車が初となりました。 同じ神奈交カラーでもロゴの配置や大きさが異なるなどアレンジしている部分があるようです。 種車の北海道中央バスからはこの世代の車が一番加工点が少なく、右側面最前部の蓋を埋めてスジ彫りを二か所、中扉上に足元灯と後面に補助灯を設置した程度です。 リアバンパーのグレーをもう少し丁寧に塗れば良かった&屋根のグレーを追加塗装したら緑上辺の直線が歪んでしまいました。 LED表示は取材時に良く見た「橋36 上大島」としています。
相模神奈交バス(相模原営業所/峡の原) SK2010 PKG-MP35UM

こちらは上のSK2006と同型式ながら黒サッシ&UVカットガラスが男前なSK2010号車です。 横浜神奈交バスのYK1111と共に2009年12月に投入されました。 美しい青緑色に黒サッシの組みあわせ~今回作った中で見栄えの好みではこの車が1番です。 しかしどう撮影しても画面上にこの色を再現出来ないのが残念。 実際は結構鮮やかな青緑色で塗装していますが、色域の問題かフォトショップ等でチートを試みても全く無理でした。よって画像の色は全く参考になりません。 LED表示は「橋59 水郷田名」。取材当時は一定の本数が確保されていたものの、田名バスターミナル開設に伴う再編で夜間に数本と激減してしまったようです。
藤沢神奈交バス(大和営業所) FK001 KL-MP35JM

やっぱりこれも作った方が良いよね…^^ ボディー完成~と記事をアップしたところ、どうせ作るなら藤沢もねぇ~とのご意見を多く頂戴しまして、えぇ、10日で完成させました。 KL-は地味に手を入れるところが多いのですが、そう言えばカナちゃん号製作の際にボツとしたボディーがあったなと、、エンジングリルの形状変更時に失敗したものなので見る角度によってはあらら・・・な出来栄えですが、この大きさの画像では光線の具合か上手く誤魔化せているようです(汗
プロトタイプは2002年11月に横浜神奈交バスのYK1107と同時期に投入されたFK001号車で、他にFK002号車も在籍します。藤沢神奈交と言っても大和営業所の車ですので、大和・鶴間・南林間周辺のローカル路線を中心に運用され藤沢駅周辺には出て来ません。現在は除籍寸前の古参車とあって随分草臥れた印象ではありますが、模型では美しかった新車の頃をイメージして塗装しました。(表記類は現在の仕様で製作)LED表示は「間17 桜ケ丘駅」としました。


神奈交カラーを遡ってみると、2002年2月に湘南・相模に投入されたエアロミディを皮切りに、2010年3月に投入された藤沢のエルガミオが最後になるようです。 上の表はエアロスターのみをまとめたもので、ご覧のように湘南の山吹色・津久井の緑色は存在しません。 模型上だけでも~なんて一瞬考えましたがそこは何とか我慢(笑 そうか、バスコレでエアロミディが出れば全色揃えられる… トミーさん是非^^ 現行の新型MP38なども見てみたかった…

左からKL-・PJ-・PKG-になります。リアの補助灯やテールランプ/ウインカー等の設置順序、車椅子マークの様子が少しずつ違っていて並べると面白いです。
細かい点では、藤沢神奈交バスの前面の車番が他とは少し異なり、新車当時は車番に「FK」は表記されておらず後付けで追加されたようです。 その際青地のステッカーが作られず、FKは黒色(番号は横浜神奈交のような濃い青)でフォントも角ゴシックで表記されています。 また、元の番号はそのままに追加した事からパネルラインを跨ぐ格好となり、モデルではFKと番号の間に隙間が出来てしまったのが悔やまれます。(ラインを埋めるか浅くする加工を施せば良かったか)
乗降中表示器は
この時に作った3Dプリンターによるものです。 四角い表示部を一段凹ませてあるので、エナメル塗料の流し込みで色入れ出来るように、オージ製の上下の曲線も手加工する必要が無くなり随分楽になりました。 ただ、走査痕が結構出ている&横方向に成型されてしまったお陰で出来栄えそのものはイマイチです。


以下は使用した塗料です。分量については適宜調合が主な為殆ど説明出来ず…すみませぬ。
車体白:Mr-GX1 クールホワイト
屋根グレー:Mr-GX1 クールホワイト+GAIA-032 アルティメットブラックほんの数滴
横浜神奈交の青:Mr-5 ブルー
※1相模神奈交の青緑:Mr-GX1 クールホワイト+GAIA-036 純色グリーン+Mr-CR1 色ノ源シアン僅か
※2藤沢神奈交の空:Mr-34 スカイブルー+Mr-80 コバルトブルー少々
バンパー/前扉グレー:Mr-333 エクストラダークシーグレー+白少々
黒:GAIA-032 アルティメットブラック
銀:GAIA-009 ブライトシルバー+GAIA-EX03 Exクリアー
※定着強度を増す為オレンジ:Mr-49 クリアオレンジ(旧型キャップの旧製品)
※ウインカー用。銀を先に塗装後これを上塗りフラットベース:Mr-189 フラットベースなめらかスムース
※車体の基本色に少量添加※1 もう少し赤味が少ない青でも良いかも知れません。
※2 画像の色と現物の色は全く異なりますのでご注意ください。画面では恐らく色が飛んだような感じにかなり明るく薄いイメージに映っていると思われますが、実際はPANTONE色見本帳で言うところの3265Cと3275Cの間(3275C寄り)で塗っています。製作の際は是非一度実車を観察される事をお勧めします。
こちらは材料一式。種車は全て15弾北海道中央バスです。これに適宜窓や各パーツを他から調達しています。
==関連記事==・ボディーの加工について
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屋根がグレーだったとは… 改めて観察したところ、確かにグレーではあるものの直接光が当たる上面の為か車体全体を見たイメージはやっぱり白~これは変わりませんでした。 よって追加塗装は実物よりもイメージを優先、光を当てた時に側面の白と見分けがつかない位=白とのトーンの差が極僅かな極めて白に近いグレーとしました。 実物通りに塗るならはもう少し濃くて良いと思います。
塗り分けは車体後部の色部分(青や青緑)の上辺の延長線になる様子。しかし先に塗装していた色部分の高さが厳密に揃っておらず、一部の車は塗装を削ってからグレーを吹くなど思いの外手間取りました。 結果直線に歪みが出た→残念な仕上がりになってしまった車も多いです。 後修正は極力避けたいものですが、修正リカバリーが上手い=腕のあるモデラーとも言えますので、まだまだだという事でしょう;;

車体裏には5年ほど前からsignatureを入れてあります。 単なる自己満足ではあるのですが、これにはちょっとだけ意味がありまして、自己採点で「イマイチ」なら白文字、「まま及第点?」なら銀色文字、「マーベラス!」なら金色~と言った出来栄え点のような意味を持たせていたりします。 最近はルーペ等を併用するようになったことからか白はほぼ無くなりましたが、様々注意して作っても何処かで粗相してしまう…金色を貼れた車は未だありません。
そう言えば以前「作る時に何処を見ています?」と言った内容のメールを頂戴しましたっけ。 恥を忍んで元画像の大きさでアップしてみますが…
この位の大きさで見ると誤魔化しは通用せずダメな点を客観的に見る事が出来ます~というより、粗相をする場所や工程の傾向を極めて正直に突きつけられると思います。 それを一つ一つ潰して行く事が出来れば1/1では一段二段クオリティが上がる…単純な理屈です。 先ずは知る事から~自分の作品だけではなく、製品を撮影してみるのも勉強になります。
目標とする模型や市販の完成品を撮影してみる。
↓
現物を1/1で見た時に綺麗に見える部分・汚く見える部分を大写しにした画面と比較観察する。
↓
何処まで粗相すると1/1上で汚く見えるのか限界点をみつける 。
(逆に言えばここまでは粗相しても影響ないという閾値が判る)
~と言う具合に。
綺麗な部分汚い部分が実際にどんな風になっているかを知っておくと工作の指針になり役に立ちます。 何処を見ているか?と問われればこの閾値、、かな。何より前時代的な模型にならないように……
しかしまぁ、それを生かし切れないから苦労するのですけれども^^; 何時の日か金色を貼りたいものです。
■参考にさせて頂いたサイト
・車番/年式等のデータ
かなちゃん号のページ様■謝辞
・某車掌殿(グレー…) ・kana86様(部品提供) ・B5101様(部品提供) 有難う御座いました。

んー展示台ジオラマが欲しい。やはり殺風景だ…